麻生です。
今回は文章だけですが、先日テレビを見ていてとても関心したことを紹介いたします。
ベトナムのビール業界の話です。
日本では税率の違いで価格の安い第三のビールの出現により、ビールの売り上げは年々減少しておりますが、ベトナムでは経済成長とともにビールの売り上げがとても伸びております。
消費量でも、中国、日本についで第三位の国です。
なかでも地元メーカーサイゴンビールと、他より少し高級なハイネケンが人気だそうです。
飲食店での販売競争は激しく、メーカーごとにボンテージ姿の女性の売り子さんがお客さんに直接勧め、販売するという方法です。
そして歩合制なのでみなさん頑張ります。
ビールの飲み方も、日本と違いベトナムは亜熱帯気候のためビールが温まりやすいので、グラスに大きい氷を入れて飲むのが主流です。
また衛生管理の問題から、提供方法は缶かビンに限られています。
およそ二年前、日本での売り上げが減少する中、この状況を打開するべくベトナムのビール業界に参入したのは、日本のサッポロです。
ベトナムでは日本製品は高いというイメージがあり、地元ビールやハイネケンのように定着しているメーカーにどう対抗するか難しい問題です。
サッポロの営業責任者はまず、 「郷に入っては郷に従え」 地元の売り子さんを派遣し、ベトナム方式でボンテージ姿でスーパーで販売したのですが、押し売りになってしまいサッポロは高いだけでお客さんが逃げてしまったそうです。
これではいけないということで、販売方法を見直しました。
まず、押し売りを止め、商品の説明をしっかり行いサッポロビールを理解してもらう事をはじめました。
ただ説明ではなく、販売スタッフに対して接客の研修を行い、何気ない会話から親しみやすいスタッフだと思ってもらえるよう指導したそうです。
さらに化粧の研修も!薄く大人っぽい印象をあたえます。
地元居酒屋では他のメーカースタッフがやらないジョッキの片付け、グラスに氷を入れる、落し物を拾って渡してあげる等気配り、あえて積極的に行動し、これをきっかけにビールを注文してもらうという方法とっているとの事です。
するとたちまちハイネケン一色だった居酒屋がサッポロ一色に!
サッポロビールはもちろん日本製、価格は高いのですが、あえて販売まで遠回りをし、こういった気配りやおもてなしのおかげでベトナムでは信頼を勝ち取り、順調に売り上げを伸ばしているそうです。
また、ベトナムでは亜熱帯のため衛生上生ビールの提供が非常に難しいのですが、サッポロはベトナムに自社工場を建設することにより新鮮なビールを届けられる、酒樽とサーバーの注ぎ口やホースの洗浄を徹底しているため、暑い国でも新鮮で美味しい生ビールを提供できるといいます。
日本人ならではの気遣いですね!高品質で、管理の厳しい国だからできた戦略だと思います。
順調に設置店が増えているそうです。
この番組の今回のテーマは、遠回りでした。
なぜ売ることから遠回りをするのか、この重要性を海外で働く日本人にスポットを当て紹介していました。
たとえ遠回りでもお客様のためを思って行動する事はまさに日本式、オリンピックのプレゼンもそうですが分野は違えど世界に通用する技術なんだなと感じました。
初心に帰り、シトロエンがいかに魅力的なのか遠回りでも広められるように頑張ろうと思った出来事でした。